タスク!

中公新書で、読まなきゃならん新刊が二冊ほど出ていた。
最近のお気に入りは、『シューマン交響曲2番』(ミュンヘンフィル、チェリビダッケ指揮、1999)。3楽章と4楽章が良い。冷たい響きがする。冷たく、命が無くなって、そこに横たわっているからだ…(新明解の詩的なパクリ。でもほんと、ライン河に飛び込みたくなっちゃう)。
『絶対!クラシックのキモ』によると、次のような事情であるらしい(脇田真佐夫執筆部分)。

この曲のおもしろさは、古典的な形式感のなかに閉じ込められたシューマンの分裂をはらんだロマン的心性を形式としてつなぎとめようとする危うい緊張感にある。たとえば、この曲第1楽章などを見ても、第2主題は第1主題との性格的な対比もなく、ほとんど展開部のために用意された素材的な扱いしか受けないし、憧れと切なさをこれでもかとばかりに表現した第3楽章でとってつけたように登場するバッハを思わせる対位法的な中間部など、なぜあるのか不思議なくらいだ。それにひきかえ、終楽章では第1楽章や第3楽章の主題なども織り込んで(のちにマーラーはそれと同じ手法で『交響曲第5番』の終楽章でアダージェットの主題を織り込んだ)、見事な主題労作をおこなっている。たぶん、この曲が最近になってにわかに人気が高まっていることには、マーラー交響曲が受容されたことが大きな要因となっている気がする。(126)

なるほど。マーラーか。たしかに『第5番』、大好きだ(断然、テンシュテット)。
同収録のブラームスハイドンの主題による変奏曲』なら、私はケルテスのもの選ぶ(宇野コウホウ先生の語調のパクリ。この曲、私のすこぶるのお気に入り)。チェリビダッケの他のCDだったら、ムソルグスキーラヴェル編『展覧会の絵』の最後の全面崩壊がすばらしい。
ああ、実家に買わせて置いてあるチェリのモツレクがはやく聴きたい。