2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

奥田瑛二『長い散歩』(2006)

136分 監督・企画・原案:奥田瑛二 脚本:桃山さくら、山室有紀子 出演:緒形拳、杉浦花菜、高岡早紀、松田翔太、原田貴和子、奥田瑛二 定年まで高校の校長を務めた松太郎は、妻をアルコール依存症で亡くし、ひとり娘とも絶縁状態。家庭を顧みなかった過去の…

河瀬直美『殯の森』(2007)

監督・脚本:河瀬直美 出演:うだしげき、尾野真千子、渡辺真起子、斉藤陽一郎、 ますだかなこ 奈良県東部の山間地に、旧家を改装したグループホームに33年前に妻・真子を亡くしたしげきがいた。彼はずっと、彼女との日々を心の奥にしまい込み、仕事に人生を…

マキノ雅弘『新網走番外地』(1968)

(94分・35mm・カラー)石井輝男監督の「網走番外地」シリーズ(1965-67年)に続く「新網走番外地」シリーズ1作目。復員兵の末広(高倉)は進駐軍兵士に歯向かって、北海道の刑務所に送られた。刑期を終えて東京に舞い戻った末広は、やがて銀座界隈の縄張り争いで頭…

名著なのに読む気が失せるまとめ

坂部恵『ヨーロッパ精神史入門 カロリング・ルネサンスの残光』(岩波書店)。超おすすめ。 14世紀、イスラム世界よりアリストテレスの文献がヨーロッパにもたらされ、アルベルトゥス・マグヌス、トマス・アクィナス、ガンのヘンリックス、ドゥンス・スコト…

ボードレール、T・E・ヒューム、T・S・エリオット、マラルメなどの思想もよく分かる、すごい本。読みやすいし、かなり勉強になった。必読に値する「入門」書。ヨーロッパ精神史入門―カロリング・ルネサンスの残光作者: 坂部恵出版社/メーカー: 岩波書店発売…

ウディ・アレン『タロットカード殺人事件』(2006)

SCOOP イギリス映画 英語 1時間35分 監督: ウディ・アレン 出演: スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン ロンドンを震撼させる連続美女殺人事件。ジャーナリスト志望の女子大生サンドラは、三流マジシャンの「人間消失箱」の中…

マキノ雅弘『浪人街 第二話 樂屋風呂[短縮版]』(1920)

(73分・16fps・16mm・白黒・無声)「浪人街」シリーズ(1928-29年)のうち、「浪人街 第二話 樂屋風呂」(第一篇・解決篇)を短縮したフィルム。お人好しの宮内甚内(根岸)と野放図な千葉平八(登六)の浪人コンビの交友が喜劇的に描かれるが、ひたすら仕官を願う浪人(…

マキノ雅弘『学生三代記 昭和時代[マキノ・グラフ版](「野球の巻」「下宿の巻」)』(1930)

(16分・16fps・35mm・白黒・無声・部分)「学生三代記」は、マキノ総指揮で製作されたオムニバス形式の短篇喜劇集で、『天保時代』『明治時代』『昭和時代』の3篇が同時に公開された。今回上映するのは、映画保存協会、立命館大学アート・リサーチセンター マ…

花沢健吾『ルサンチマン』

花沢健吾『ルサンチマン』(小学館)は秀逸なエロマンガだった。が、設定を十分に生かしきれていない。 可愛い女の子に取り囲まれ、自分の容貌も自在のフィクション世界が実世界に侵食してくるわけだが、その限界状況において「リアル」がどういう意味を持ち…

マキノ雅弘『日本大俠客』(1966)

(95分・35mm・カラー)明治期に実在した大侠客・吉田磯吉の若き日々を描いた作品で、地元の北九州で長期ロケがおこなわれた。藤純子が演じた鉄火肌の芸者・お竜は、『緋牡丹博徒』シリーズ(1968-71年)のヒロイン・矢野竜子へと発展する。惚れた磯吉(鶴田)の裏…

3104。894200+3104=897304。

色々あって、テンションが上がったり下がったり。最近、自己評価が下がりまくり。物事を窮屈に考えすぎなのかもしれない。 僕は貴族が談話してるみたいな社交は得意だが、馬鹿話をバカにしてしまう所があって、貴族じゃないんだしそれは良くない。「このまま…

16010+15478=31488。862712+31488=894200。

ビザ発給問題

見にいく必要があるかどうか、薬師寺の仏像くらいの微妙さだったわけだが、以下のような事情であるらしい。 「〈帝国〉」の著者ネグリ氏、来日を延期 世界的に反響を呼んだ「〈帝国〉」の著者の一人でイタリア人哲学者のアントニオ・ネグリ氏(74)が日本…

『叫』は世界的傑作?

トーダイ新聞にハスミ先生のインタビューが載っていたので読んでみると、「近年の映画界における世界的達成は黒沢清の『叫』である」(大意)と述べられており、仰天した。そんな評価があるのか。 ちなみにこの特集記事は、コマバは映画天国、黒澤と小津のDV…

帰ったら、爆笑問題が京大で「独創性」をテーマに討論する番組をやっていた。京大の雰囲気が感じられて良かった。 爆笑問題は素直に考えてやはり評価できる。佐伯啓思ってこんな人なんだ、と分かったのが一番の収穫。良い感じの人だ。

7852。854860+7852=862712。まとめて処理。

ヨハネス・エリウゲナ

「古代(地中海世界)―近代(ヨーロッパ)」の二分法で世界史を把握したクルティウスは、近代の開始をカロリング朝として、カール大帝期に「ラテン中世」が完成したと考える。カロリング朝ルネサンスの代表的哲学者はヨハネス・エリウゲナ(9世紀)。が、14…

『中央公論』4月号で佐藤優が雨宮カリンと対談している。マルクス思想家・佐藤優はこういう方面で活躍するとすごく良いと思う。 佐藤優を読むような知的な日本人は、恐らく彼の教養主義的な魅力に惹かれているのだろう。しかし教養主義的エートスを共有した…

頭働かず。整理、掃除など。朝青龍、白鵬下し優勝。

昨日はワルターのモツレクを聴いた後、マーラー3番を聴いていたら、本格的に死にたくなったので危機的。池袋のタワレコにやっとこさ辿りついて、ザンデルリンク/ドレスデン・シュターツカペレ(1973年日本公演)のCDを2枚購入。「ブラームス交響曲1番」…

大学の変貌

慶応と東大が攻勢をかけている。今年の大学入試結果を見ても、関西圏では京大離れの兆候が見られる。「一人勝ち状況」の構図が生まれるなか、私の予想では京大は厳しさがさらに増して、早稲田大学はほぼアウトになるんじゃないかと思う(早稲田は広末を入学…

極度の煮詰まり。判断能力も低下しているし、ちょっとツラい状況。ブルーノ・ワルター指揮のモーツァルト「レクイエム」(1956、ウィーンフィル)を買ってきた。モーツァルト:レクイエムアーティスト: ワルター(ブルーノ),リップ(ウィルマ),レッスル=マイダ…

アンドレイ・クラフチューク『この道は母へとつづく』(2005)

ITALIANETZ ロシア映画 ロシア語 1時間39分 監督:アンドレイ・クラフチューク 出演:コーリャ・スピリドノフ、マリヤ・クズネツォーワ、ユーリイ・イツコーフ 孤児院暮らしの6歳のワーニャは、イタリア人夫妻との養子縁組がまとまったが、一目生みの母に会いた…

寒い。頭の奥が痛い。昨日は頭を2度洗ったり、今日は財布を忘れて出かけたり、冴えないことこの上ない。地味に過ごしたが、せめて晩御飯はと美味いものを食った。 竹森俊平『1997年―世界を変えた金融危機』(朝日新書)を読む。フランク・ナイトの「ナイト…

3496。851364+3496=854860。

マキノ雅弘『日本俠客伝 白刄の盃』(1967)

(95分・35mm・カラー)シリーズ6作目。流れ者の俊二(高倉)は、堅気になって運送業を営む外川(菅原)の人情に触れ、彼のもとで人足として働き始める。ところが、銚子の運送業を独占しようと企てる根占一家が、ことごとく嫌がらせを仕掛けてくるのだった。スケ…

マキノ雅弘『日本俠客伝 雷門の決斗』(1966)

(99分・35mm・カラー)シリーズ5作目。浅草六区の興行権をめぐる抗争を描く。聖天一家を解散して堅気の興行会社をおこした平松(内田朝雄)は、観音一家の卑劣な手段に屈して自殺した。二代目・信太郎(高倉)もまた執拗な嫌がらせにあい…。元々は浪曲師だった村…

雨。破滅願望が生じてきたので、ヤクザ映画を見て暗い情念に浸る。

『サッド・ヴァケイション』の補足

どうにも気になるので補足するわけだが、やっぱり「石田えりの存在感」を考えると、あの映画は「日本的なるもの」についての考察を含んでいると考えてよいのだろうか?つまり冒頭のハードボイルド的なもの(中国人マフィア的なもの)の対極にあるものとして…