2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『国民国家と暴力』

詳しいことに言及したってしょうがないので、ざっくり感想。ヘーゲル『歴史哲学講義』あたりをおそらく嚆矢とする「原始社会→封建社会→近代社会」といった進歩図式があるんだが、Giddensは、この見方を徹底的に斥けている。国民国家群は、近代において、示差…

フランク「交響曲ニ短調」

アルトゥス社から出たクーベリック指揮・バイエルン放送交響楽団のライブ録音(1965)を聴く。内容は、モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」、ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」、フランク「交響曲」、ワーグナー歌劇「ローエングリン第3…

村上泰亮『新中間大衆の時代』

これ以上長くなると日記でもなんでもなくなるが、サッカーもバーレーンに勝ったことだし、村上泰亮(やすすけ、1931年生まれ)『新中間大衆の時代』(1984→1986)の感想。 あとがきに整理されているように、この本のテーマは四つ。①戦後日本企業の特性と産業…

『保守主義的思考』

Mannheim(1893−1947)を読む。ずばり名著。一度読んだときにはよくわからなかったが、ここのところ私が考えてきたことが洗練されたかたちで、しかも思想家の膨大な引用を付して、ばっちり記述されている。 Mannheimは知識社会学の始祖として知られているが…

英語のはなし

起きてから何気なくテレビのスイッチを入れると、フジテレビ「特ダネ」で、「海外親子留学」特集というのをやっていた。じつは昨晩、茂木弘道『文科省が英語を壊す』(中公新書ラクレ、2004)読んだところだったので、つい興味が引かれてしまった。 本書の主…

ゲーテ『イタリア紀行』

個人的なことだが、昨年(2004年)は、「わたしにとってのイタリア年」であった。事情があって立ち消えになったものの、姉の海外挙式にかこつけて、南ドイツ(ミュンヘン)からイタリアへと抜ける旅を企画し、それをきっかけに歴史・文化・思想などを勉強し…

サヴァリッシュ

N響アワーで、今年度のベストコンサートという観客ランキングを発表していたのだが、サヴァリッシュが、第1位、第2位を独占するという結果であった。第2位は、サントリーホールでのブラームス交響曲第一番。第1位は、NHKホールでのベートーベン交響…

私は断然、洞穴派

21世紀がはじまって5年目になるが、わが家がIT化されたのは、ほんの前日のことである。遅すぎた、というべきだろう。でも、かわりに「ブロガー」になったのは電光石火の勢いだった。ネット整備されてから2日も経たないうちに、流行に乗ってみた。 そも…

『第九特別委員会、第十特別委員会、第十一特別委員会』日本近代教育史料研究会編 岩波書店 4月5日 税込価格:26,250円 ISBN:9784000041645 教育基本法、六三制など教育の民主化を方向づけた占領期の政策審議機関の議事録。第一級の公文書史料。

メモ

子どもと歩く 加瀬完 教育行政思想・明治の改革と昭和の改革 教育刷新委員会教育刷新審議会会議録 日本近代教育史料研究会 編 、岩波書店 、13冊 、1995-98 中等教育の基本問題 改訂 教育行政の基礎知識と法律問題