2007-01-01から1年間の記事一覧

観た映画のまとめ

印象深かった映画をピックアップ。さらに*マークの多寡で差別化してみた。 ロバート・ワイズ『ウエスト・サイド物語』(1961)**** フーベルト・ザウパー『ダーウィンの悪夢』(2004)** 北野武『BROTHER』(2000) 森田芳光『ハル』(1996)*** 野村芳太郎…

2007年の納得度

今年をまとめると、こんな感じ。 年明けとともにpragmatistになる。拘束から解放されることになり、映画館に通い詰める。マキノ雅弘・内田吐夢に感激。 春以降は、globalizationとindividualizationについて検討する。趣味で政治学史を齧りつつ、夏以降、mod…

実家に溜まった本を送りつける。ダンボール二箱分。 『カイジ《人喰いパチンコ編》』を読了。単行本で12冊程度の大作だが、ユーキャントストップリーディングの大傑作。素晴らしい。 日本にも影響しているサブプライムローン問題は、エンロンと同じく〈下流…

古本ブログについて

ブログを再開された「せどりintelligentsiaにおける高慢と偏見」さんの記事に、「どうでもいいサブカル馬鹿だらけの古本ブログ…」という刺激的な文字列を発見。私なりにマイルドに敷衍するなら、「趣味的に閉じた古本集めなんて、知的な営みとはいえませんよ…

「アジア主義」を撤回

本読みの合間に第一章を読む。くすくす笑える記述のなかに重要な知見が示されていて、レミーの時に「アジア主義!」とか言ってしまったのは軽率だったと反省。 15世紀の李氏朝鮮への転換とともに朱子学が導入され、17世紀に明国が滅亡した結果、朝鮮には「小…

ブックオフで見つける。800円だったので購入。Miles作者: Miles Davis出版社/メーカー: Simon & Schuster発売日: 1990/08/01メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る電車の中で、家族について語った部分まで読む。さすがマ…

沖縄戦の教科書記述

今日の朝日新聞社説より。 日本軍によって集団自決に追い込まれた。そうした表現が沖縄戦をめぐる高校日本史の教科書検定で復活した。/教科書会社から出されていた訂正申請が文部科学省に承認されたのだ。その結果、次のような記述が来年度からの教科書に載…

映画の後、福田×坪内・宮崎哲弥がいずれも評価する「インデアンカレー」に再度挑戦した。今回は卵入りにしたら、けっこう玄妙な味になった。とはいえキャベツの漬物が甘く、しかもカレーはピリ辛なので、全体としての味が美味しいのか普通なのかが分かりづら…

マルセル・カミュ『濁流』(1957)

MORT EN FRAUDE(104分・35mm・白黒) 第1次インドシナ戦争中、当時のサイゴン付近の農村で、仏人青年が現地の娘と出逢う。A・アストリュック監督などの下で助監督をつとめたM・カミュは、本作で長篇監督デビューを果たし、2年後には『黒いオルフェ』により…

年末の浮かれ気分も手伝って、N響の「第九」を聴きにいくという、ベタベタなイベントを決行。指揮者はアンドリュー・リットンというアメリカ人。 それにしても最悪の演奏だった。「混沌に始まり、葛藤を幾重にも重ねて、〈歓喜〉の救済へ」という「第九」の…

6069ポイント。588653+6069=594722。

読書していたら、後輩が現れたので、ついついダベってしまった。久々にくだらない話ができて楽しかった。私がするバカ話は特殊な面白さを含んでいて、ある種の才能があるように思われるのだが、あまり活かし切れていないというか、活かし方がわからないとい…

クリスマス・イヴ。世間につられて浮かれたわけではないが、カラオケをして遊ぶ。柄にもなく、山崎まさよし『one more time, one more chance』を熱唱。ネタで、山下達郎『クリスマス・イヴ』も絶唱。私は聞いたことがある曲を適当に選び、歌いまくるスタイ…

ドトールで「コーラ!」と言ったおじさんがいて、若干驚いたのだが、これはまあ想像力の及ぶ範囲内の出来事である。むかしスタバで「カレー!」と叫び、そのまま椅子に座ったお爺さんを私は知っている。あの時ほど店員が験された瞬間を私は知らない。 今日は…

ロバート・ワイズ『ウエスト・サイド物語』(1961)

(1961年 アメリカ 151分) 監督 ロバート・ワイズ(『サウンド・オブ・ミュージック』)/ジェローム・ロビンス 原作 ジェローム・ロビンス/アーサー・ローレンツ 脚本 アーネスト・レーマン 作曲 レナード・バーンスタイン タイトルデザイン ソウル・バス…

訳のわからない夢

飛行機に乗ったら、どんどん加速して離陸したのだが、なかなか高度が上がらない。後ろの座席では子供が「おしっこ!」と叫んでいる。飛行機はあろうことか、高速道路に不時着することになった。 私はチェっと舌打ちし、子供を睨みつけた。乗客は一旦降りて、…

冬至。日照時間が短いし、雨だし、寒い。 或る本を本棚から発掘して、昨日から読み進めている。面白い。客観的状況はともかく、精神的状況はやや上向いてきた。 里中満智子『ラファエロ』を読了。『チェーザレ』と併せて読むと、16世紀初めのイタリアがかな…

マイケル・レーマン『恋とスフレと娘とわたし』(2007)

BECAUSE I SAID SO. 英語 1時間42分 監督:マイケル・レーマン 出演:ダイアン・キートン、マンディ・ムーア、ガブリエル・マクト パティシエとして働きながら、女手ひとつで3人の娘を育ててきたダフネ。娘たちとは仲が良いが、気がかりは…

内田光子のCDはとても素敵だった。許光俊『クラシックを聴け!』(青弓社)に、内田版「モーツァルト ピアノ・ソナタ 第15番 第1楽章」の実況解説がある。これを読みながら聴いていると、モーツァルトの偉大さが手に取るように分かる。軽い曲だと思われてい…

今日は神保町に寄った。どん詰まりなので。▼古書モールにて『教育五十年史』を千円で購入。学制発布50年記念として関係者の談話・回想録が収められたもの(大正11年刊の復刻版)。これが大変読みやすく、良い買い物であった。九鬼隆一の回想記なんてすごく面…

勁草から出た『不安定雇用という虚像』は前にざっと読んだが、新聞の書評欄を見ていたら高橋伸彰氏が「非正規雇用者の就業形態への満足度が高い事情にはウラがあるのでは(大意)」*1と指摘していた。たしかに正規雇用者に賃金以上の労働負担を加えることで…

久々に融通空間氏と懇談。重要な問題について相談する。さて、LOHASな生き方とは? ほとんど何にも意欲がない高校生の話も出てきた。レフレキシヴな社会において「KY」的な心理的圧力に晒されている青年ばかり、というわけではないのかもしれない。 火曜日恒…

6642ポイント。6642+582011=588653。

柊あおい『星の瞳のシルエット』

柊あおい『星の瞳のシルエット』を読了し、1991年、1992年発表の続編『ENGAGE』まで読み終えてしまった。前者はなかなかうまく出来た三角関係だったが、現在の高校生の恋愛観とは思いっきりズレてしまっているところが興味深い。近代ロマンティックラヴイデ…

さすがにそろそろ本格復帰せねばと考えたものの、いきなり上手くは回転しない。啓発的な本は読めたが、実質的な作業にはならなかった。 帰宅してテレビをつけたら、「英語でしゃべらナイト」に村治佳織が出ていた。美しいし、kawaii。しばし見とれる。身近に…

これが亜細亜だよ

映画の後、飯田橋ブックオフで山田宏一『シネ・ブラボー 小さな映画誌』(ケイブンシャ文庫)を購入したのであるが、この中の神代辰巳論(「神代辰巳の甘美なる逃走」)に、ディズニー野郎(=ネズミ野郎)に聞かせてやりたい一節がある。 …神代辰巳の映画の…

ブラッド・バード『レミーのおいしいレストラン』(2007)

RATATOUILLE アメリカ映画 英語 1時間57分 監督:ブラッド・バード 声優:<レミー>パットン・オズワルト、<リングイニ>ルー・ロマーノ 配給:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ 天才的味覚と嗅覚を持つネズミのレミーは、シェフになる夢…

アレックス・ギブニー『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(2005)

監督・脚本・プロデューサー:アレックス・ギブニー 原作:「ENRON: THE SMARTEST GUYS IN THE ROOM」(著者:べサニー・マクリーン/ピーター・エルキンド) 製作総指揮:マーク・キューバン / ジョアナ・ヴィセンテ / トッド・ワグナー キャスト 元エンロン…

フーベルト・ザウパー『ダーウィンの悪夢』(2004)

Darwin's Nightmare オーストリア、ベルギー、フランス/2004/英語、ロシア語、スワヒリ語/カラー/35mm/107分 監督:フーベルト・ザウパー Hubert Sauper アフリカ最大の湖、ビクトリア湖。1960年代に実験的に放された淡水魚ナイルパーチは200を超える在来種…

まだ読み終えていないが、さすが坪ちゃん、読ませる。装丁も素敵。 しかし冒頭の「まぼろしの大阪」からしてちょっと大阪を良く書き過ぎているように感じる。「まぼろし」だからそれで良いのかもしれないが…。 その意味で、谷沢永一との対談は読み応えがある…