アレックス・ギブニー『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(2005)

監督・脚本・プロデューサー:アレックス・ギブニー 原作:「ENRON: THE SMARTEST GUYS IN THE ROOM」(著者:べサニー・マクリーン/ピーター・エルキンド) 製作総指揮:マーク・キューバン / ジョアナ・ヴィセンテ / トッド・ワグナー  キャスト 元エンロン社員 ケン・レイ(元CEO) ジェフ・スキリング(元CEO) アンディ・ファストウ(元CFO) 他

今度はアメリカ国内で強者が弱者を食いものにする話。やはりえげつない現実ではあるが、ユーモアが感じられて面白かった。エンロン問題の構造がほぼ理解できた。
ジェフ・スキリングだかが『利己的な遺伝子』にハマッた話が出てきたけれど、アメリカ社会の奥深さをまたまた感じた。エンロンのトレーダー達の、悪魔のような会話記録が凄かった(とくにカリフォルニア停電時の会話内容)。金儲けに血道をあげる躁状態のsymbolic analist達を見ていたら、やはりこれはプロテスタント禁欲倫理の名残りなんだろうか?と思った。
それにしてもエンロンを破綻に導いた「時価会計」。こんな意味不明な制度がなぜ導入されたのか、全然理解できない。規制緩和とどこで関係するのか分からない。