2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

5月のまとめ

5月は映画を24作品観た。身体的にも精神的にも絶好調という感じではないが、まずまず頑張っているということにしておきたい。 マッコイ・タイナーのコレはダルい感じで結構良い。最近はSTAN GETZ『THE COMPLETE ROOST SESSION VOL1・VOL2』もよく聴いている…

今村昌平『楢山節考』(1983)

(130分・35mm・カラー)老人を山に捨てる「姨捨て」伝説に基づく同名小説が原作。生に満ちた山村で、姨捨ての時期を悟る老婆と、戸惑いつつも老婆との別れを受け入れてゆく家族たちの姿を通して生の切なさが語られる。生き物が生き物を食べたり、生殖したり…

『表舞台裏舞台 福本邦雄回顧録』

伊藤隆先生、御厨貴先生(W-TAKASHI)による仕事。福本邦雄が岸内閣の秘書官になったとき、「反動岸内閣ノ秘書官ニ息子ヲスルコト絶対反対 福本和夫」との電報が届いたエピソードには笑った。福本和夫と岸信介は美濃部憲法学と上杉憲法学とで対立しつつも、…

今村昌平『復讐するは我にあり』(1979)

(140分・35mm・カラー)日本各地で詐欺や殺人で罪を重ねた男(緒形)の実話に基づいたサスペンス調の劇映画。緒形拳の人を殺める演技には鬼気迫るものがあり、三国、倍賞、清川虹子をはじめ主役以外を演じる俳優陣も充実している。今村は映画のもとになった…

大したことない日本語の論文は始めから読まないが、読まないと評価ができない英語論文の場合、読んでしょうもないことがわかると、著者への怒りがハンパでなくなる。今日もブチ切れて、ブチ切れた感じでベラベラと話しまくったが、話し終わった後も怒りが持…

オリヴィエ・マルシャル『あるいは裏切りという名の犬』(2004)

「36 QUAI DES ORFEVRES」。飯田橋ギンレイホール。 2004年 フランス映画 仏語 1時間50分 監督:オリヴィエ・マルシャル 出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、ミレーヌ・ドモンジョ パリ警視庁の次期長官候補…

出来事いろいろ

松岡利勝農水大臣が自殺(Hiroumixからのメールで知る)。ふてぶてしい頑固キャラだと思っていたので衝撃的だった。けっこう小心者で不器用な人だったんだな。人生というのは怖ろしい。 ZARDの坂井泉水が死去。カンヌで河瀬直美が受賞。

黒木和雄『日本発見シリーズ 群馬県』(1962)

(30分・16mm・白黒)黒木の初めてのテレビ作品で、全国の都道府県を紹介する「日本発見」シリーズ(通称「地理テレビ」)の一作。「青の会」の同志であるキャメラマン鈴木達夫との初仕事でもあり、移動撮影を駆使したのびやかな作品だが、会社の判断でオク…

黒木和雄『わが愛北海道』(1962)

(49分・16mm・カラー)北海道の風土と基幹産業を紹介するPR作品だが、アラン・レネの『二十四時間の情事』(1959年)に刺激されていた黒木は、一組の男女に旅をさせるという構成にしてそのドラマ志向を実現させた。映画のトップに“ニシン御殿”での全裸のラブ…

黒木和雄『恋の羊が海いっぱい』(1961)

(20分・35mm・カラー)羊毛の宣伝用に書かれた羽田澄子の脚本を黒木がミュージカル風に改変した、日本のPR映画史の中でも特筆すべき異色作。早口のお針子たちのシーンは市川崑の映画を参考にしたもので、若き寺山修司の書いたラストシーンの歌の歌詞もPR映…

黒木和雄『泪橋』(1983)

(118分・35mm・カラー)東京・大森の近くの川にかかる泪橋。その界隈に暮らす人々の悲哀を淡々と綴った村松友視の中篇小説を、志願した村松本人と状況劇場の唐十郎がシナリオ化、当時話題になった「イエスの方舟」事件も織り交ぜられて幻想色の濃い作品とな…

『虚妄の成果主義』

105円だったので、読んでみた。第3章の記述が若干かったるいものの、全体としては面白い。成果主義がダメな論拠が徹底的に指摘されている。魅力ある仕事内容への内発的動機づけを引き出し、原則的に生活保障給として賃金を捉える日本型年功制はあらゆる面で…

雑誌を大量購入

勉強の一区切りがついたところで、どこかに行きたくなり、早稲田の古本屋にでも行こうかということになった。飯田橋に抜けてみるのも良いかなどと考えつつ。そしたら早稲田のブックオフでとんでもないものに遭遇してしまった。写真のブツ。50年前の雑誌が100…

都内某ブックオフにて入手。105円であるに違いないとビビビと来たので、見て回ったら、秒殺で発見できた。早速読む。きわめて奥深い名著。クリントン政権では労働長官にも就任した人だが、馬鹿な左翼知識人には、この本は批判できないだろう。積極的ナショナ…

黒沢清『叫』(2007)

公開:2007年 監督:黒沢清 主演:役所広司、小西真奈美、伊原剛志、葉月里緒奈、オダギリジョー、加瀬亮、平山広行 刑事・吉岡の周辺で続発する殺人事件…その手口には共通するものがあるばかりか、随所に吉岡の痕跡が残されている。「自分が犯人ではないの…

佐藤信介『LOVE SONG』(2001)

公開:2001年 監督:佐藤信介 主演:伊藤英明、仲間由紀恵、一條俊、原沙知絵、津田寛治、坂本真、三輪明日美、石堂夏央 尾崎豊のアルバム「十七歳の地図」をきっかけに知り合った女子高生と青年が織りなす恋と夢の挫折。年上の男性に恋心を抱いた少女と、自…

世界市民?

昨晩は眠れなくて、薄い本でも読もうと思って、カント『永遠平和のために』を読んだ。シニカルな序章に始まって、なかなか面白い。常備軍の廃絶とか、読まなくても知っている提言は別として、世界国家が批判される論拠に国家を道徳的人格と見る主張が挙げら…

とうとう来た。新文芸座。 笑(ショー)マン・植木等の追悼特集決定! 今年3月に亡くなった昭和のスーパーエンターテイナー、植木等さんの追悼特集が決定しました。〈追悼 テレビが生んだ昭和の笑(ショー)マン 植木等〉と題して7/7(土)から2週間の上映で…

頭いたい。作業を進める。 作業の合間に、佐々木毅『近代政治思想の誕生』(岩波新書、黄版)を読む。トマス・モアとボダンを中心に。この本は一見退屈な大学の授業のようにオーソドックスで詳細な記述が特徴的なのだが、ちょくちょく読んでいると、16世紀の…

へこむ

頭が痛くなって、へこんだ。疲れたし。 たびたび公言しているように、私は政治的関心が本当にないのです*1。ニヒリストだから。でも、それじゃいけないと思ったり、せめて知識だけはきちんと持っていなければならないと思ったり、そういうことを自覚するプロ…

観られなかった。

観たかったけど、観られなかった。悲しい。 『ええじゃないか』(151分・35mm・カラー) 外来文化の流入により時代の転機を迎えつつあった江戸時代が舞台。米国帰りの男(泉谷)は妻(桃井)と生活の再建をめざすが一向にうまくいかず、見せ物小屋で暮らすこ…

徹夜で朝から出かけたものの、すっぽかし。勉強できたから良いんだけど、眠かった。大江健三郎が近くに居たらしいが、とりあえずスルー。 某shou君がパパになるという噂を数日前に耳にした。嘘か本当か分からないけど、とりあえずおめでとうございます。

今村昌平『女衒 ZEGEN』(1987)

(124分・35mm・カラー)明治時代、故郷を捨てて海を渡った男(緒形)は香港で囚われの身の日本人女性たちを助けたのを機に、女衒となるが、時代の変化と愛する女(倍賞)の心変わりにより全てを失う。エネルギーに満ちた女たちとそのエネルギーを貪らんとす…

今村昌平『にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活』(1970)

(105分・35mm・白黒)『人間蒸発』以来ドキュメンタリーへの興味を強くした今村が、ニュース映画の会社である日本映画新社の依頼を受けて撮ったテレビ向けドキュメンタリー。横須賀の外人向けバー「おんぼろ」を経営するマダムがさらりと語る虐げられた過去…

ドイツについてのマニアックな学術論文を読んだ。すごく面白かった。ドイツ語やっときゃよかったかなと近頃よく思うんだが、まあ今からやるという選択肢もないわけではないですね。 最近、コレを聴きこもうと思って、よく聴いている。スタン・ゲッツ・アット…

気合のわりにはパッとしない反応。まあそんなもんか。来週も頑張らないといけない。って、今週のうちにやんないとダメか。 今日の夜は新文芸座の市川雷蔵特集で眠狂四郎シリーズを観るという計画が圧倒的に正しい計画のはずであったのだが、「フィルムセンタ…

宮崎哲弥が藤原紀香と日本酒のCMに出ているのを見た。宮崎哲弥って、一般的にどんな風に見られているんだろうか?何とも言えない違和感がそのまま存在感につながっているような人だが、「頭のいい人だから気持ち悪いと口に出してはいけない」的なオーラが、…

ダヴィデ・フェラーリオ『トリノ、24時からの恋人たち Dopo Mezzanotte』(2004)

フィルムセンター。イタリア映画。『真夜中を過ぎて』。 監督: ダヴィデ・フェラーリオ 国 : イタリア 2004 / 92 分 寡黙な映画青年マルティーノはトリノ映画博物館の夜警。アマンダは車泥棒の恋人で、博物館近くのハンバーガーショップの店員。ある夜、警察…

死ねばよいと思った

今日は、新興宗教にはまっていると思しき40代の醜悪なカップルに喫茶店で遭遇し、これ以上ないくらいdisgustingな気分になった。宗教にはまっている頭の悪い大人が、宗教にかこつけて、霊感商品の話題などを話しながら、お互い口説きあっているのだから、見…

ロストロポーヴィチ

NHK教育でロストロポーヴィチと小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラによる、リヒャルト・シュトラウス『ドンキホーテ』の演奏(リハーサル映像)を放送していた。ロストロポーヴィチの作品解釈があまりに面白いので、ついつい見入ってしまった。『ドンキ…