頭いたい。作業を進める。
作業の合間に、佐々木毅『近代政治思想の誕生』(岩波新書、黄版)を読む。トマス・モアとボダンを中心に。この本は一見退屈な大学の授業のようにオーソドックスで詳細な記述が特徴的なのだが、ちょくちょく読んでいると、16世紀のヨーロッパ政治思想史のダイナミズムが感じられて、とても勉強になる。クロード・ド・セセルという人から始まって、伝統的な政治秩序観念が徐々に崩れゆく様が明らかになる。最終章のボダンが、マキャベリにも対抗しつつ、またモナルコマキにも対抗しつつ、一方で伝統的秩序観念に絡め取られながら、苦闘している様子が、読んでいて身に沁みてくる。カルヴァンの章などは、渡辺一夫『フランス・ルネサンスの人々』(岩波文庫)などと合せて読んでみると、筆致の違いが明瞭で面白い。カステリヨンなんかはとくに、渡辺の本ではすごく人間的に描かれている。
岩波新書の黄版はマイナーな本があるし、結構好きだ。今日は同じく黄版の、山本光雄『アリストテレス』(1977)を百円でゲットした。
アル・ヘイグは相変わらず素晴らしいです。税金もらう。