柊あおい『星の瞳のシルエット』

柊あおい星の瞳のシルエット』を読了し、1991年、1992年発表の続編『ENGAGE』まで読み終えてしまった。前者はなかなかうまく出来た三角関係だったが、現在の高校生の恋愛観とは思いっきりズレてしまっているところが興味深い。近代ロマンティックラヴイデオロギーに深く囚われている乙女たちを見ているとバカにしか映らない面もあるが、時代劇だと思って読むとかなり感動できる。久住くんと沢渡香澄さんの恋愛が実り、ファーストキスをするページでは、あまりに恥ずかしくて思わず目をそむけてしまった。
1991年の『ENGAGE』では久住・沢渡カップルは大学生になっている。2年以上も付き合っているのに、「誕生日プレゼントはお泊りデートでしょ?」という友人のツッコミに、香澄ちゃんの顔は真っ赤。この調子だと、結婚するまで二人が肉体関係を結ぶことはなさそう。いや、セックスせずに子供が生まれてしまうかもしれない。見境なくセックスする『NANA』のハチとは大違いだ(もちろん私はハチの方に断然好感を抱くけれど)。