「アジア主義」を撤回
本読みの合間に第一章を読む。くすくす笑える記述のなかに重要な知見が示されていて、レミーの時に「アジア主義!」とか言ってしまったのは軽率だったと反省。
- 15世紀の李氏朝鮮への転換とともに朱子学が導入され、17世紀に明国が滅亡した結果、朝鮮には「小中華思想」が成立した。
- 近代に入ると、日本の植民地支配をネタに反日ナショナリズムも成立する(実際には日本の植民地支配が近代化に寄与した事実があるわけだが、近代化の遅れを日本の支配に帰する理解が「歴史」化した)。
- 今日の韓国・朝鮮の対日観を決定しているのは、以上の二重構造のナショナリズム(侮蔑と反発)。
- したがって「EUに倣ってアジア主義」などとという主張は、絵に描いた餅にすぎない。脱亜論だ。
というのが、第一章のだいたいの主張。他にも北朝鮮についての記述がいちいち笑える。
- 作者: 古田博司
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/10/20
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