読書していたら、後輩が現れたので、ついついダベってしまった。久々にくだらない話ができて楽しかった。私がするバカ話は特殊な面白さを含んでいて、ある種の才能があるように思われるのだが、あまり活かし切れていないというか、活かし方がわからないというか。ともあれ、くだらない話は、くだらなくて良い。
調子に乗って読んだ杉森久英大政翼賛会前後』(ちくま文庫)は、肉声の伝わってくる味わい深い本だった。「私のいたころの翼賛会は、アッケラカンとした、権力も強制力も持たない、張り子の虎のような存在だった」(224)というのが大体の感じ。
ただ解説で粕谷一希が、著者の政治史・思想史理解は「不十分」「甘く・浅い」と評価しており、「『解説』なんだからオマエが手短に整理しろよな!」と腹立たしい気分になった。「解説」なのに「解説」もせずに上っ面の批評を垂れるなんて、どういうつもりなんだろうと呆れる。

大政翼賛会前後 (ちくま文庫)

大政翼賛会前後 (ちくま文庫)