マキノ雅弘『学生三代記 昭和時代[マキノ・グラフ版](「野球の巻」「下宿の巻」)』(1930)

(16分・16fps・35mm・白黒・無声・部分)「学生三代記」は、マキノ総指揮で製作されたオムニバス形式の短篇喜劇集で、『天保時代』『明治時代』『昭和時代』の3篇が同時に公開された。今回上映するのは、映画保存協会、立命館大学アート・リサーチセンター マキノ・プロジェクト、フィルムセンターが共同で16mmから35mmにデジタル復元したもので、『昭和時代』篇の8つのエピソードのうち、「野球の巻」「下宿の巻」の2話が収録されている。
'30(マキノプロ)(監)川浪良太、滝澤英輔、久保為義(原)(脚)八田尚之(撮)大森伊八(出)横澤四郎、砂田駒子、津村博、泉清子

「野球の巻」は9回ツーアウト、一打逆転の場面で三振に終わった学生が、必死に応援していた恋人に「貴方と私の関係もゲームセットね」とフラれてしまう話。恋人の応援の様子が楽しい。
「下宿の巻」。女と遊んでばかりの軟派学生が親が下宿にやってくるというので慌てて部屋を片付け、燐人に参考書や机を借りたり恋人を押しつけたりして、小遣いをせしめるのに成功する。小金をもらって早くも心はビヤホール。学生もふざけているが映画もふざけていて楽しい。