マキノ雅弘『新網走番外地』(1968)

(94分・35mm・カラー)石井輝男監督の「網走番外地」シリーズ(1965-67年)に続く「新網走番外地」シリーズ1作目。復員兵の末広(高倉)は進駐軍兵士に歯向かって、北海道の刑務所に送られた。刑期を終えて東京に舞い戻った末広は、やがて銀座界隈の縄張り争いで頭角をあらわしていく。
'68(東映)(原)伊藤一(脚)村尾昭(撮)坪井誠(美)藤田博(音)八木正生(出)高倉健三橋達也長門裕之松尾嘉代佐々木愛志村喬、水島道太郎、金子信雄、山本麟一、今井健二

進駐軍を殴りまくったり、雪の中で滑りながら格闘したり、マキノはかなりフザけている。高倉健もそれに応えて、コミカルな演技を見せている。進駐軍三国人が取り仕切る戦後闇市が舞台であり、エネルギーに満ちた猥雑感がうまく描かれている。パンパンになった妹、昔の恋人などの恋愛描写もよい。松竹の三橋達也は苦手であるが、こっちはなかなか良かった(高倉と恋敵の関係)。