河瀬直美『殯の森』(2007)

監督・脚本:河瀬直美 出演:うだしげき、尾野真千子渡辺真起子斉藤陽一郎、 ますだかなこ
奈良県東部の山間地に、旧家を改装したグループホームに33年前に妻・真子を亡くしたしげきがいた。彼はずっと、彼女との日々を心の奥にしまい込み、仕事に人生を捧げ生きていた。そして今、しげきは亡き妻の想い出と共に静かな日々を過ごしていた。そこへ新しく介護福祉士の真千子がやってきた。彼女は子どもを亡くしたことがきっかけで夫との別れを余儀なくされ事で心を閉ざして生きていた。そんな二人が…。

うすっぺらいヒューマニズムを思わせぶりな映像とセリフで糊塗しただけの作品。ヒステリックな説教臭さは拭えず、醜悪そのものであった。他者性を欠いた思い込みの垂れ流しは公害でしかない。
人物設定が安易ならディテールも荒い*1河瀬直美の頭とセンスの悪さに辟易するばかり。これが「良い」っていう人はニセモノだと思う。
他者性を欠いた人間に、まともな感受性が備わるわけがないという、その実例。

*1:詳細は省くが河瀬はアルツハイマーのことを何も分かっていないようだ。頭で考えただけの世界を絶対視する思い込みの激しい人間は、貧しい観察力と平板な人間観しか持てないのである。感性が貧しすぎる。