寒い。頭の奥が痛い。昨日は頭を2度洗ったり、今日は財布を忘れて出かけたり、冴えないことこの上ない。地味に過ごしたが、せめて晩御飯はと美味いものを食った。
竹森俊平『1997年―世界を変えた金融危機』(朝日新書)を読む。フランク・ナイトの「ナイトの不確実性」に対して、ミルトン・フリードマンがサベージの「主観的確率分布」の議論に基づき、計量不可能とされる「不確実性」概念を斥けたこと、だが「エルスバーク・パラドクス」がナイト理論の復権を導いたこと(ただし悲観主義的)、こういった経済学史的な紹介が面白い。
これが現実の分析枠組に使われるのも説得的だ。97年からの金融危機は、IMFの介入失敗をきっかけに「ナイトの不確実性を前にした悲観主義」を蔓延させた。これに教訓を得たFRBグリーンスパンは、2001年から強力な金融緩和策を採用し、これが現在のサブプライム問題に直接につながっている――というような流れもスッキリ理解できる。たいへん興味深い。
いま問題になっているドル安・円高基調は意図的なもの?、と疑惑を抱かせる記述にぶつかったが(159−160)、素人なのでよく分からない。悲しい。

1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)

1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)

トレルチ『ルネサンス宗教改革』(岩波文庫)を250円でゲット。ざっと読んだ限りでも面白いが、これは改めて精読しようと思う。
琴奨菊朝青龍に勝ったのを見て、感激。