高見順『昭和文学盛衰史』

膨大な人名が出てくる。人名索引がついているのは便利。
ほとんど反応しきれないけれど、昭和文学の背景には思想と文学との緊張関係が存在していた、というストーリーだと思う。横光利一と同部屋で寝たときの会話、折口信夫のエピソード、島木健作の「健食」と丸山真男の「健脚」などが印象に残った。ところで「アララギ」はその道ではどんなふうに評価されているのだろうか。

昭和文学盛衰史 (文春文庫)

昭和文学盛衰史 (文春文庫)

これもざっと読んだ。アリストテレス自然学の否定と「永遠真理創造説」による数学的自然学の提唱。読みやすい。カントと違って真理は神が随意に変更しうる。ジェスイットの教育内容への批判があったが、デカルトとジェスイットとの思想面での質的差異とは、あるとすればどの辺になるのだろうか。
デカルト入門 (ちくま新書)

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