今村昌平死去(20070507追記)

北村和夫「お別れの時が来てしまった。ありがとう」
今村昌平監督 通夜 650人がお別れ 6月6日(火) 産経Webより

楢山節考」「うなぎ」でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)に2度輝いた世界的監督で、先月30日に転移性肝腫瘍(しゅよう)のため死去した今村昌平(いまむら・しょうへい)さん(享年79)の通夜が5日、東京・渋谷区の代々幡斎場で営まれた。
弔問には「楢山節考」など3作品に主演した緒形拳(68)、「うなぎ」に主演し、カンヌでは代理でパルムドールを受け取った、役所広司(50)ら“教え子”や映画関係者ら約650人が参列。焼香を終えた緒形は「自分の中で監督といえば今村さん。撮影が何時までも終わらない監督だったけど今思えば楽しんでいたのかな」としんみり。小学校からの盟友で、葬儀委員長を務めた俳優、北村和夫(79)は、遺影に向かって「お別れの時が来てしまった。ありがとう」と弔辞を読み戦友に別れを告げた。
長男で映画監督の天願大介さん(46)は「親父の背中を見ていたらこの仕事をやろうとは思わなかった。親父から離れようと思っていたのにこの仕事に…」と言葉を詰まらせ、幻の遺作となった「新宿桜幻想」の製作について「非常に大掛かりな映画なのでしばらく台本を見てみて」と映画化の可能性を示唆した。
白とピンクの菊の花で彩られた祭壇で白い歯を見せる今村監督の遺影は、家族で選んだ「楢山節考」の撮影現場で写真家の石黒健治さんが撮影した写真。献花台をはさんで左に「楢山節考」、右に「うなぎ」で受賞したパルムドールのトロフィーが飾られ、棺の中には「新宿桜幻想」の台本、大好きだった東北の地図、タバコ、スーツが納められた。

葬儀・告別式は6日午前10時から同所で。喪主は妻の昭子(あきこ)さん。

■■■今村昌平監督に仏芸術文化勲章オフィシエ
【パリ=山口昌子】フランスのシラク大統領はこのほど、5月30日に死去した今村昌平監督に対して、芸術分野で功績のあった人に贈る芸術文化勲章オフィシエ賞」を授与したことが判明した。エリゼ宮筋が5日、明らかにした。
大統領は今村監督が死去した翌日の5月31日に、昭子未亡人に書簡を送り、「映画にその生涯と才能を捧げた今村氏の死」に哀悼の意を表明するとともに、「1983年と1997年の2度、カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した稀なる監督」に対し、「芸術文化勲章オフィシエ賞に格上げします」と述べ、仏芸術文化勲章のシュバリエ賞を受賞している監督に、その一段上のオフィシエ賞を授与したことを明らかにした。
監督の死はフランスでは各メディアがトップ級で報じた。監督は83年に「楢山節考」で、97年には「うなぎ」でカンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドールに2度、輝いている。