神田に一瞬だけ逃亡

3冊買った。
京大教授。ヘルベルトについては、この人の書いた論文以上のことは知らない。読んだらまた感想などを記すかもしれない。

イマヌエル・カントの葬列―教育的眼差しの彼方へ

イマヌエル・カントの葬列―教育的眼差しの彼方へ

次の本。

学習とは、頭の中に多くの知識を蓄積していく作業なのではない。そもそも知識とは、頭の中に存在する静的な体系ではないのである。そうではなくて、知識とは常に環境あるいは状況に埋め込まれているものであり、したがって本当の「学び」とは環境や状況の中で、それらと相互行為(相互作用)しながらしか成立することは不可能なのである。最新の認知科学は、そのような知見を私たちに提供してくれている。(94)

どう考えても当たり前だと思う。しかし、学校教育の現場が、この人のいう「しみ込み型教育」ではなく「教え込み型教育」に偏っているのも事実だろう。小学校の先生や中学校の先生は、「教科内容についての理解の道筋を丁寧にたどっていくこと」を「教えること」と勘違いしている面がある。そんなことより、実際に計算や書き取りをさせて、そのなかで生徒自らが気づく契機を用意してやるほうが教育効果を得やすいだろう。
ざっと読んだ感じでは、江戸時代の教育を無批判に称揚したり、当たり前のことを殊更に強調するベタさが気になるものの、意義ある主張ではあるし、ロボットや自閉症の事例は勉強になる部分があると思った。

ロボット化する子どもたち―「学び」の認知科学 (認知科学のフロンティア)

ロボット化する子どもたち―「学び」の認知科学 (認知科学のフロンティア)

これから一仕事。亀田の試合、最後の3ラウンドだけ見たが、あの判定の是非について週刊誌がどのように書くか、いまから楽しみだ。