テレビと

上笙一郎『児童文化書々游々』(1988)より。

…テレビと<子ども一般>について語っているという書物には、鴨原一穂ほか著『子ども・見ている聞いている』(昭和三十二年・三一書房)や石田光ほか著『マスコミは子どもを変える』(昭和三十五年・大阪教育図書)がありました。けれども、テレビと<幼児>というふうに主題をしぼった書物は、本当にただの一冊もなかったのです。辛うじて見出し得たのは幼児文化研究グループ編『幼児の放送教育』(昭和四十一年・フレーベル館)ですが、これはラジオ中心で、テレビはつけたし程度だったと言わなくてはなりません。(277−279)

本格的な調査書としては、依田新編『テレビの児童に及ぼす影響』(昭和三十九年・東大出版会)がある。これをふまえ著者の『テレビと幼児』が書かれた。
著者の見立てによると、テレビと子どもの問題については、昭和五十年代以降、新たな展開が開かれたという。岩佐京子『テレビに子守をさせないで』、北川隆吉ほか編『テレビを子どもの味方に』、隅井孝雄『テレビCMと子どもたち』などがある。
「子どもとメディア有害論についての通時的研究」なんて、どう?「ぱど」研究とからめて。>Hiroumixさん。