合理的計算

2004年度参院選比例区の得票数を分析。

政党(当選数) 得票数 最高得票者(票数)
自民(15) 約1679万票(30%) 竹中(約72万票)
民主(19) 約2113万票(38%) 小林(約30万票)
公明(8) 約862万票(15%) 浜四津(約182万票)
共産(4) 約436万票(8%) 市田(約19万票)
社民(2) 約299万票(5%) 福島(約64万票)
女性(0) 約98万票(1.7%)

自民と民主で70%弱の票数がある。ここに知名度のきわめて高いリベラル派政治家Aが参戦した場合、どれだけ割り込むことができるか、予測してみよう。
上記のとおり、2004年の最高得票者は浜四津氏である。独りで180万票以上を得票している。しかし、かりにA氏が200万票を得票した場合でも、ドント方式のもとでは所属政党に対する割り当ては1名あるかないかである。二大政党制のもとでは、自民・民主の枠組みに割り込んで得票することは難しいので、個人的知名度だけでは、比例区で政党の躍進を得ることは難しそうだ。
それでも、安倍政権の支持率低下や民主の混迷などの状況下、A氏が500万票の得票を得たと想定してみよう(竹中でさえ70万票ほどなのだから、ありえないが…)。この場合、所属政党は4〜5名の当選者を得ることになる。このとき、非拘束名簿式に従って、個人名での得票順に政党内での当選者が決定されることになる。
もちろん、A氏のみで500万票を得るという前提に立てば、他の候補者はゼロ票でも当選可能である。とはいえ、通常、国政選挙の当選者にはそれなりの得票があってしかるべきだろう。2004年度のケースを見てみると、最低得票者は公明の候補者の17000票、次は同じく公明の33000票だ。民主の最低得票者なら10万票を超えるぐらいの水準である。常識的に見れば、国民の代表者たるもの、10万票くらいは欲しいところといえる。公明の場合、圧倒的な組織票が、10万票未満での当選を可能にしている背景事情もある。