官僚の質をどうやって保つの?

西尾勝公務員制度改革の道筋」(『UP』8月号)が、公務員制度改革法案について論じている。「これは、戦後の官界に非公式に形成された「キャリア・システム」の根幹を揺るがす可能性をもつ改革である」と、危惧が表明されている。
各省庁による再就職斡旋をなくし、一元的な人材バンクを創設するという今回の法改正は、いうまでもなく単細胞・低偏差値・安倍首相の「点数稼ぎ」にほかならなかったわけだが、「点数稼ぎ」に勤しんだにもかかわらず結果として「赤点」に終わったのは、安倍がやっぱり低学力だったからで、とはいっても、なされてしまった法改正については今後しかるべき補完作業が施される以外に仕様がない。本法改正に関しては「パッケージ改革」が具体化される運びとなっているが、そこでは「早期勧奨退職勧告の是正、定年年齢の見直し」が予定されており、西尾氏によれば、これは次のような弊害をもたらす危険があるという。

……キャリアがすべて定年年齢まで官界に止まることになった場合、これらすべてのキャリアを局長・次官といった管理職にすることはできない。そこで、高級管理職に登用しないキャリアには退職してもらうという従来の単線型の人事システムをこれらの要員をスタッフ職または専門職として処遇する新しい複線型の人事システムに変更しなければならない。これだけでは、まだ済まない。本省庁の審議官級以上にまで昇任した高級官僚が多数官界に残留することになれば、公務員人件費が膨張してしまう。そこで、管理職ポストからはずれスタッフ職等に移行したキャリアの給与は頭打ちにするか、引き下げる措置をとらざるを得ない。それにしても、多くのキャリアが定年年齢まで官界に留まることになれば、キャリアの昇任速度は大幅に遅くなり、このままでは人事が停滞し、キャリアの士気は低下するおそれがある。これを避けようとすれば、徹底した能力主義に基づく若手登用の抜擢人事を当たり前にするシステムに変革する必要がある、ということになる。(2−3)

政治主導というのも理念的には結構だが、現実に政治を支えているのはキャリア官僚なわけで、彼らを冷遇してしまっては非常にマズい。ちゃんと東大出の優秀な人材がキャリア官僚をめざすように、給与も地位も安定したシステムにしなければならない。成●大卒の首相がやっぱり馬鹿なように、東大出の官僚はやっぱり優秀なのである。優秀な人材が大きな仕事に向かうように処遇を整えるのは当然なのに、それとはまったく逆の「改革」をやっちゃったアベチャンは、やっぱり学歴コンプレックスを抱えているのかなぁ?バカだから仕方ないのか。
閣僚の「身体検査」が重要なように、政治家の「知能検査」も断行してほしい。ファシズムでも「哲人王」がやるなら全然OK。