ベルリン・シュターツカペレ@サントリーホール

バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ「マーラー交響曲第9番」(@サントリーホール)を聴いてきた。
それなりに大枚をはたいたわけだが、結果として大満足だった。つねづねN響の演奏に不満を感じてきたが、やっぱりN響は何も考えずに演奏していたのだなと思った。クラシック音楽は特殊歴史的・文化的なものだから、ヨーロッパの伝統を受け継ぐ人たちに演奏してもらうのが一番良い。異質な旋律の調和的統一というもっとも肝心な部分で、繊細さが格段に優っていると感じた。ポリフォニーはそもそもヨーロッパ特殊な音楽様式なのだ。
それにやっぱりマーラー第9番は名曲ですね。席の状況もあって、第一楽章・第二楽章までは音の主観的補正に手間取ったが、第三章、第四章の説得力で次第に演奏に引き込まれていった。バレンボイムがどうとか、ベルリン・シュターツカペレがどうとかは、経験不足もあってよくわからない(感覚的には分かるが正確には語れない)。でも、音楽を通して超越的なものに同一化していくというクラシック音楽の本質は、これまでにないほど腑に落ちたし、深い理解を得ることができた。
息を呑むような特別な瞬間が幾つかあり、それだけでも貴重だった。