ハネス・シュテーア『ワン・デイ・イン・ヨーロッパ』(2005)

(100分・35mm・カラー)サッカーの「欧州チャンピオンズリーグ」決勝の日に、ロシア・トルコ・スペイン・ドイツの各都市で外国人旅行者が経験する、"盗難と保険"をめぐる4つのエピソード。巧妙な人間描写で高い評価を受ける期待の若手監督シュテーアは、それぞれの地域の国民性を鮮明に表現しつつ、サッカー中継に熱中する人々を横目に異国の警察で立ち往生する孤独な人物たちの姿を、ユーモラスかつ愛情を込めて描いている。
製作国ドイツ/スペイン 2005年作品(ヨーロッパの8言語)日本語字幕 (監)ハネス・シュテーア

ロシアでイギリス人、トルコでドイツ人、スペインでハンガリー人、ドイツでフランス人カップル(アルジェリア系とスペイン系)が、それぞれ強盗絡みのエピソードに巻き込まれる。モスクワ、イスタンブール、スペイン、ベルリンの各都市の様子が興味深い。
人種的多様性のすさまじさに驚かされる一方、「でもやっぱりひとつの大陸だよな」と思わせられる程度の類似性は見てとれた。イスタンブールも魅力的だが、スペインのカトリック建築がとりわけ興味深い。「巡礼者」ってたくさんいるんだね。