秋葉原の事件

詳細がだんだんと分かってきた。各紙夕刊をチェックして、悲惨な現場写真に言葉を失う。
犯人は人間関係能力が低く、自己肯定感が乏しい反面、極端な万能感を追求するタイプであったようだ。生育歴等の詳細もまもなく明らかになることだろう。
犯人が派遣社員であったことから、この事件の遠因を社会の仕組みに求める見方があるようだが*1、昨日書いたように、この見方は的外れであると思う。要因分析をするとすれば、

1.犯人の器質的要因(先天的な精神異常・人格障害
2.犯人を取り巻く環境要因
 2−1.社会のシステム的要因
 (労働環境、メディア環境、コミュニケーション環境)
 2−2.人格形成をめぐるシステム的要因
 (生育歴、家族環境、学校での人間関係など)

のパターンがありうるが、今回の場合、「1」か「2−2」に該当するのではないか。
トラックで人を3人も轢いておいて、それらの人々をメッタ刺しにした挙句、次々と人を殺傷していくような異常な人間がいるとして、「そのような人間が暴発しないような合理的な社会システムを設計する」などというのは高コストすぎるし、どう考えても不合理なことでしかない*2

*1:NHKで東浩紀もそのようなことを話していた。

*2:そうであればこその、この不条理感なのだと思う。