〔非日常〕

今日もクタクタになって帰宅したら、玄関のドアの向こう側で、妙な話し声とドタバタする音が聞こえるので、「何だろう?何でだろう?」と思いながら覗き穴を覗いてみると、マンションの住人らしき若い男性が若い女性を担ぎ上げて運んでいるのが見えて、ビックリ仰天した。
担ぎ上げられた女性は暴れており、「ダメ、○○くん、ダメ(♡^▽^♡)」とバタバタしていたのだが、どうやら酔っぱらっているみたいである。ドアの前を通り過ぎたと思いきや、「ダメだって、ほら、眼鏡落ちたじゃん、階段のとこ」と言いながら、二人で戻ってきたので、二度ビックリしていると、今度はウチのドアの真ん前に座り込んで、二人で引っ張り合いっコを始めだしたので、「おいおい」と思った。
よっぽど、「お嬢さん、『飲んだらヤルな、ヤルなら飲むな』ですよ。さあ、冷静になって。本当にこの男の人と床入りして良いんですか?」と飛びだそうかと思ったのだが、考えてみると、それも近代主義的な性規範であって、たぶん昔の祭りとかだったら、男は女を藪に連れ込んで、やることをヤッていたに違いないのである。これはこの二人にとって、お祭りに類したハレの出来事なのであり、女の子の方だって、冷静に床入りするのは恥ずかしいから、ちょっと酔っぱらってみよう、と思っただけなのかもしれないのである。それにしちゃ、近所迷惑だけど。
……などと思いながら、ずっと私は覗き穴を覗き込んでいた(←これが本当のオチ)。
作業が追い込み段階なので、今夜は私も眠れない。