B級グルメ
田沢竜次『B級グルメ大当たりガイド』。「B級グルメ」という言葉は、この人が最初に使い始めたらしい。足で書いているというか、胃で書いているというか、なかなか説得力があり、読ませる文章だ。チェーン店についてもきちんと書いていて、「ドトール」とか「てんや」とかにも一家言があるのがエライ。
かつての「大戸屋」では桃屋の江戸紫のボトルキープが出来たとか、古本屋に通っているとカレーが食べたくなるとか、ためになる話がいっぱい出てくる。「共栄堂」のスマトラカレーが美味いというのはピンと来ないが、「エチオピア」はB級の佇まいながら味はA級だとか、喫茶店「ルオー」で食べるカレーには捨てがたい雰囲気があるとか、「キッチン南海」*1の生姜焼き定食は体育会系だとか、なかなか本質をついていてドキリとさせられる(いや、させられないか)。
ちなみに定食屋「おはち」はフレッシュネスバーガーが考えついたお店らしい。あと「横濱カレーミュージアム」は、ビルの6階までゲームセンターで7階がミュージアムになっているらしく、ちょっと行ってみたい気がした。また酒が飲める体質だったら、東京湾で大騒ぎしながら酒を飲める船が浅草から出ているらしく、これにも非常に興味が惹かれるところである。まあ行かないだろうけど、浅草は好きだし、浴衣を着ていくと値引きというダサい企画が、なかなかグー。ナンシー関がプロ野球のコラムで書いてたけど、日本人ってのはどこかでダサいものが好きなんだそうで、私もまた、まぎれもなくB級好きなのだ。クラシック好きだけど、阪神ファンだし。
- 作者: 田沢竜次
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
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