田中康夫についての補足

ブログを拝見したのだが、さすが宮台先生、うまいまとめをしていらっしゃる。今回の選挙は、「旧保守=農村型保守」「新保守=都市型保守」「都市型リベラル」、の三者関係で把握すればよいのだそうだ。
そう考えると田中康夫の登場は、民主党がアピールしきれていない「都市型リベラル」の「政党アイデンティティ」=「理念的な存在意義」を提示するための動きだったと理解することができる。「旧保守」でもないけれど、「新保守」の「暴力性」=「弱者切り捨て」を選ぶわけでもない、「都市型リベラル」の提示。
しかしまあ、私の言ったように、このような動きが「分かりにくい」ものであることは間違いないところ。 そこで「都市型リベラル」の「分かりにくさ」が十全にアピールをなしうるためには、小泉流の「分かりやすすぎることの、いかがわしさ」が、暗黙のうちにでも感受されていなければならない。hiroumix君やshou君は、田中康夫の行動が政治的な潮目をうむ可能性に否定的なようで、もちろんそれはオーソドックスな判断ではあるのだが、しかし私は、「都市型リベラル」という理念の提示をおこなった田中の行動はまっとうな感覚にもとづいたものだし、田中康夫の「撹乱」のタイミングは、政治的にもそれほど間違っていなかったのではないかと、積極的に評価したい気がする。結果はどうであれ、民主党があのざまじゃ、やらなきゃいかんでしょう、やっぱり*1

*1:ついでに印象をいえば、岡田民主党は、選挙の争点を「新保守=都市型保守」VS「都市型リベラル」として提示することができていないばかりか、たぶん前回の「マニフェスト選挙」のノリで勝てると勘違いしているのではないかと思われる。「まじめ一本槍」の「念力主義」とでも言っておくか。