ハンス・ワインガルトナー『ベルリン、僕らの革命』(2004)

ハンス・ワインガルトナー監督(2004)。ダニエル・ブリュ―ル、ジュリア・ジェンチ、スタイプ・エルツェッグ。ギンレイホール
『グッバイ・レーニン』の監督で、またもや「革命」のお話。けっこう面白かったとは思うが、いかんせん普段から良い映画、良い本に接しすぎているので、妙に冷めた評価しかできない。一応、ギンレイのリード文。

15年来の親友ヤンとピーターは、“エディケーターズ”と称し、金持ちの留守宅に忍び込み、盗みは決して働かず調度品を積み上げて「財産がありすぎだ、贅沢は終りだ」とメッセージを残すレジスタンスを行っている…。が、ピーターの恋人ユールが絡み、手違いから邸宅の主人を誘拐するハメに…。ユーモラスで爽やかな青春映画!!

いきなりネタをバラしておくと、この「邸宅の主人」が、現在ブルジョワ・元左翼学生組織の幹部で、誘拐された先の山小屋生活において、若者運動家たちと図らずも深い交流をしてしまう、という話。要するに、革命に挫折した人間が、革命を志している最中の人間と出会ったらどうなるんだろう、ということですな。
まあ「革命をやろう!」なんて馬鹿でなければ思えないわけで、だから若者たちは馬鹿なんだけれど、でもそういう馬鹿な思い込みが、理想追求のためには貴重なエネルギーであったりもする。「邸宅の主人」はそれが分かっているから、自分を誘拐した運動家と奇妙な共犯関係を取り結ぶことになるわけです。
そこそこ「興味深い」テーマだとは思うが、「ときには馬鹿になれ!」という教訓に付き合っていられるほど、こちとら暇ではございません、と感じるのも事実だな。政治的主張で映画を作ってしまう監督の視野の狭さ、っていうのがあるからね。
明日は、Montesquieuについて書きます。