ホンモノの思想とは?

近ごろ、整理とか掃除とかをしたい気分。
共産党とか社会党とかの戦後史を本格的に勉強しようと思う。イデオロギーが有効だった社会的条件というのはもちろん冷戦体制だったわけだが、ほんらい理想の社会を構想し、それが実現しうる道すじを見出すというのは、きわめて知的な作業を必要とするものなのである。大部分の生半可な人間に、そんなことが可能であるはずはない。社会の理想を高らかに叫ぶという行為には、どこかで思考停止がつきまとっていると考えるほうが真相に近い。
しかし、私自身に「理想」がないわけではない。社会や人間にたいする思考停止が、それとして認識されうるコミュニケーションが、社会全体に行き渡っているような状態、このような状態を私は望む。そのためには、まずは「現実」を徹底的に直視することが必要となる。そして、そうした実証主義的な志向のもとで理想を語っていた思想家は、各時代、わずかずつでも存在していたのである。ニセモノの思想家とホンモノの思想家は、こうした観点から見分けられると私は思う。