『運命』

チェリビダッケの『運命』。私はベートーベンの交響曲はあまり好きではないのだが、これは大変興味深く聴くことができた。単純に音色がきれい。音の美しさを味わっているうちに、全体の構造がすっと頭に入ってくる演奏が理想的である。
というわけで、個人的には『運命』をはじめ、ベートーベンの交響曲ブルーノ・ワルターで決まりなのだが、このチェリの盤もなかなか良い線をいっているように思う。同時収録の交響曲第4番も、クライバーのものが聴くに耐えないので、こちらのほうが断然上。ちょっとジャケットの顔写真が異様だけど、異様な演奏なんだし、まあいいか。
ベートーベンの交響曲で他に聴いてみたいものといえば、ブリュヘンかな?彼のCDはハイドンとかモーツァルトとか、ワルターとはまったく違った意味で素晴らしい。リンツとかハフナーとかはワルターで聴くのが良いと思うが、交響曲39番、40番、41番はブリュッヘンの方が良い。ただしモーツァルトなら、クライバーチェリビダッケ(の若い時)も、ともに素晴らしい演奏だと思う。

ベートーヴェン:交響曲第4番

ベートーヴェン:交響曲第4番