PAB(1919)

面白い。いろいろ引用してよい場所があるけど、今日は一ヶ所に決め打ちで。職業政治家が誕生したルーツについていくつかのパターンを論じているところで、弁護士について述べられているところがある。ここで、合理的法思想の発生とその射程が明らかにされている。

  • 古代ローマ法律学は、都市国家から世界帝国にのし上がっていったまったく独自の政治組織の所産であるが、この古代ローマ法律学がイタリアの法律家に継受され、中世後期のローマ法註釈学者(パンデクテイステン)や教会法学者(カノニステン)の手でいわゆる「現代的慣用」が試みられ、さらに、もともと法学的およびキリスト教的思惟から生まれた自然法論がのちに世俗化するにつれて、はじめてこの合理的法思想は実現を見た。……この法学的合理主義を抜きにしては、絶対主義国家の成立も革命もまず考えられない。……近代的な弁護士と民主制とはこのとき以来完全に結びつくが、ここでわれわれのいう弁護士、つまり独立の身分としての弁護士は、これまた西洋にしか存在しないもので、中世以来の訴訟の合理化の影響下で発達したゲルマンの・形式主義的な訴訟手続きにおける「代弁人」から成長したものである。(39)

参考までに→http://d.hatena.ne.jp/seiwa/20051113http://d.hatena.ne.jp/seiwa/20060113