しゃべり場再放送

しゃべり場の再放送をやっていた。「ゆとり教育ではダメで競争が必要」というテーマだったのだが、ディベート内容はともかく、提案者の発言がとても感動的だった。真面目に人生を考えていて、素晴らしい。主張が極端で間違っていたとしても、真面目だし、頭がいいし、清々しさを感じる。再放送の価値あり。
それにひきかえ、平田オリザステレオタイプ思考ときたら!頭が悪いのに、高圧的な物言いをするなと思う。頭がよければ、高圧的でもいいけどさ。
言いっぱなしも何なので補足しておくと、「社会が多様化しているから、競争的な教育ではなく、多様で創意的な教育を」という平田の主張は、「社会が多様化すれば、なぜ競争が必要でなくなるのか」という問題に正しく答えられない点で誤っている。たしかに「斉一的な競争」は必要でなくなるが、それは「斉一的でない競争」が必要でなくなることを意味しない。さらに「社会が成熟し、多様化している」からといって、それが「多様で創意的な教育の必要性」を意味するかどうかも自明ではない。
「多様で創意的な教育」が教育内容として後期近代社会に適合的であるかどうかは、少なくとも平田オリザには判断不可能な難題である。(もっと平たくいうと、義務教育レベルで「多様で創意的な教育」を実現したからといって、ライフコースの流動的なこれからの社会を、その都度的確に判断して生き抜いていくようなタフな人間が育つのか、という問題がある。そして、普通の人間にそんな判断能力を要求するようなハードな社会像をほんとに自明の前提としてしまっていいのか、という問題もある。)