『悪魔のような女』(1954)

惡魔のような女(117分・35mm・白黒)LES DIABOLIQUES
横暴な寄宿学校の校長を、その妻と愛人の女教師が共謀し、溺死事故に見せかけて殺害するが…。合作ミステリー作家、ボワロー=ナルスジャックの第1作を、サスペンス映画の第一人者クルーゾーが、“見世物小屋(グラン・ギニョル)的”とも評された鋭利な演出で映画化した。S・シニョレの悪女ぶりが絶品。
’54(監)(脚)アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(原)ピエール・ボワロー、トマ・ナルスジャック(脚)ジェローム・ジェロニミ(撮)アルマン・ティラール、ロベール・ジュイヤール(美)レオン・バルザック(音)ジョルジュ・ヴァン・パリス(出)シモーヌ・シニョレ、ヴェラ・クルーゾー、ポール・ムーリッス、シャルル・ヴァネル、ピエール・ラルケ

じつは前見た『スパイ』は途中で居眠りしてしまい、サスペンス映画だったので、まったく筋が分からずじまいだったのだが、今回は眠気は前回と同じくらいだったのに、まったく眠る暇がなかった。プロットの出来栄えが良かったということだ。最初に「お友達にストーリーを教えないでね」と字幕が入る。
男が浴槽から白目のカバーを外す場面は本当にすごかった。正妻の「気の小さい演技」が重要な意味をもつ映画だったが、それもほぼ申し分が無い。秀作。