「純情きらり」

じつは私は、隠れ“朝の連ドラ・ウォッチャー”なのだが、現在放送の「純情きらり」は、かなり面白い部類に入るのではないか。面白さの要因は明らかだ。
通常の連ドラは、「主人公の田舎娘が都会に出て、色々な経験を積み、自分の本当の姿を見出し、田舎に帰ってくる」というものである。そこでの大抵のストーリーは「主人公の自分探し」だ。「小娘の自分探し」なんて、それほど面白いものではない。
だが、「純きら」は違う。主人公の宮崎あおいは、「ピアニストになりたい」という自分の夢を諦め、封建的な家族制度への順応を選ぶのである。そこでの主題は「生きがいと生活の両立」である。
薄っぺらな自己実現ではなく、生活を営むことへの確固とした信憑、それを基盤とした朗らかさが、宮崎あおいの演技を魅力的なものにしている。この健康なリアリティーが、「純きら」の成功を支えているのではないか。