小林信彦『うらなり』
読了。たいへん面白かった。
「その深部において悲劇として読まれることを望んでいる」(有光隆司、「創作ノート」)という『坊つちやん』作品*1の登場人物、うらなりが主人公の作品。人生を反芻するうらなりの内向ぶりが何ともいえず味わい深い。初老にもなってマドンナに再会し、後悔を覚えるあたりの感覚が、何となく分かる気がする。あと、うらなりも暗いが、うらなりのお母さんはもっと暗く、陰湿ささえ感じられる*2。
- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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