赤塚不二夫『人生これでいいのだ!!』(集英社文庫)
「人生これでいいのか?」と思い、昨日読んだのだけど、これは名著。人生論ではイーストウッドなんぞ、逆立ちしたって赤塚先生に敵わない。引用したい言葉が無数に散りばめられているが、これを紹介しておきたい。
【問】漠然とした不安
僕はいわゆる登校拒否児で、その挙句、体を壊して高校卒業が3年遅れました。そして、卒業した今は美大受験に失敗し、美術短大の通信課程で勉強しています。専攻はグラフィックデザインですが、はっきり言って死ぬほどグラフィックデザイナーになりたいかと言えばそんな気はぜんぜんありません。しかし、なにもやる気がないわけではなく、とにかく「働きたい」という気持ちはとってもあります。/こんな不安定な気持ちの中で、現状の勉強を続けるか、それともどんな領域でもいいから就職すべきか、いわば人生の選択を赤塚先生にしていただきたく思い、相談の手紙をお送りしました。(埼玉県上福岡市・こんなはずではなかったのだ!!・21歳・学生)
【答】
キミのペンネーム、いいセンスしてるよ。面白い、だから、大丈夫。
今は、自分でもなにが不安なのかわからないだろ?だから、それがなにか早く見つけな。それからですよ。これでいいのだ!!
優しい。感動的。こんな回答は、しつこいけどクリント・イーストウッドにはぜったい無理である。足立正生と日本で最後に飲んだ酒の話も良かったし、並ではない洞察力に教えられることが多い。オナニー観もいい。
今日は山崎正和『社交する人間』を半分まで読んで感動したので、最後まで読んだら紹介したい。
- 作者: 赤塚不二夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/02/19
- メディア: 文庫
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