読んだ本、買った本

やらなくちゃいけないこともありつつ、昨晩は、今村仁司『増補 現代思想のキイ・ワード』(ちくま文庫1985→2006)、稲垣浩『日本映画の若き日々』(中公文庫1978→1983)を読了。今村のはざっくり感が味わい深い。ただ全体主義を招いた啓蒙理性への批判意識、というテーマを過敏に捉えるのは如何なものか、といつも思う。理性批判をする場合には、反理性に向かうのではなく、より良い理性を建設的に探究していけばいい話。『日本映画の若き日々』は戦前戦後映画界を彩った人々を綴ったエッセイが読ませる、京都ロケ地案内としても貴重な本。
あと、牧原憲夫『日本近現代史② 民権と憲法』(岩波新書)を拾い読みしていると、松方デフレは自由民権派勢力封じ込めの意図もあったと書かれていて、はっとする。
今日はディドロダランベールの夢』(1768〜1774→1958)、バーネット『プラトン哲学』1928→1952)、スピノザ『エチカ』(1677→1951・1975)、永井荷風『江戸芸術論』(2000)を買った(いずれも岩波文庫)。3000円の積ん読(しておくべき)本も入手した。
skmt君のコメントで90年代を振り返りたい欲望を刺激されてしまったが、それはまたいずれ。