マキノ雅弘『次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り』(1955)

公開:1955年 監督:マキノ雅弘
主演:河津清三郎北原三枝森繁久弥三島耕田中春男、石黒達也、三島雅夫
東宝の「次郎長三国志」シリーズののち、マキノが日活で監督した次郎長もの。各人のエピソードが群像劇風に語られながら、物語は次郎長一家と黒駒の勝蔵一家との対決へと昇りつめ、秋葉の火祭りの決闘でクライマックスを迎える!河津清三郎扮する次郎長親分、我らが森繁久弥森の石松、やくざに憧れる北原三枝の馬子娘にも見惚れること間違いなし。

河津清三郎の殴り込み、殺陣が見事。林の中で天狗の面をかぶった次郎長と北原三枝が逢うシーンも甘くて切ない。マキノ映画ではお祭りの場面がしばしば出てくるが、秋葉の火祭りもダイナミックだし、その後の斬り合いも森の石松の活躍などがあって華々しかった。
河津が次郎長親分を演じているのに違和感が残ったものの、「いなせな感じ」は良く出ていたと思う。