オットー・プレミンジャー『帰らざる河』(1954)

マリリン・モンローのシリアスな演技が貴重な作品。あとはジェット・コースター・ムーヴィーです。シネマヴェーラ

公開:1954年 監督:オットー・プレミンジャー
主演:ロバート・ミッチャムマリリン・モンロー、ロリー・カルホーン、トミー・レティグ
1875年のカナディアン・ロッキー、アメリカ北西部のゴールド・ラッシュで、方々にテント村ができた頃、「帰らざる河」と呼ばれる激流の傍に、新しい農場を開拓しようとする男がいた。ミッチャム演ずるその男は刑務所あがりのマット。モンローはジーンズ・スタイルをセクシーにキメる妖艶で気丈な酒場の歌姫。シネスコ初期の作品で、激流を下るシーンも迫力たっぷり。あのテーマソングにも酔いしれたい。

インディアンが銃殺されまくる。急流の中を泳いで筏まで攻めてきたりもする(当然、脳天をかち割られて殺される)。主人公が主人公なのにマリリンをレイプしかけるシーンもあるし、突然ピューマが現れて格闘したりするシーンもあって、これがアメリカ白人男性のマッチョイズムかと妙に感心した(でも冷えた身体のマリリンをさすったりするなど、首尾一貫しないジェントルマンぶりを発揮したりもするので、訳が分からない)。バカバカしくて良い映画。最後のマリリンのウェスタン風の歌にはしんみり。