相米慎二『ションベン・ライダー』(1983)

シネマアートン下北沢。名作。

キティ・フィルム、118分。製作:多賀英典、プロデューサー:伊地智啓、原案:レナード・シュレイダー、脚本:西岡琢也チエコ・シュレイダー
藤竜也(厳兵)河合美智子(ブルース)永瀬正敏ジョジョ) 鈴木吉和(デブナガ)坂上忍(辞書)原日出子(アラレ)桑名将大(山)木之元亮(政)財津一郎(島町)村上弘明(金太)寺田農(木村)宮内志麻(その妻)伊武雅刀(田中巡査)きたむらあきこ(知子)倍賞美津子(郁子)前田武彦(デブナガの父親)ケーシー高峰(金貸しの中年男)
退屈な日々を送るジョジョ・辞書・ブルースの悪ガキ3人組が、ヤクザの争いに巻き込まれて大奮闘を繰り広げる!豪快なカメラワークで心底楽しませてくれる相米流大活劇。

だいぶ前にたぶんフィルムセンターで観たことがある。圧倒的な迫力をもった長回しにまたもや絶句(冒頭の誘拐シーン、中盤の木材置き場での銃撃シーン)。藤竜也もカッコイイし、河合美智子永瀬正敏坂上忍も良い。河合美智子が熱海の海に入るシーン、雨の遊園地で歌を唄うシーン、覚せい剤の粉を撒き散らして「ギンギラギンにさりげなく」「ふられてBANZAI」を唄うラストシーン。青春を感じるというか*1、しみじみ良いなぁ、切ないなぁとおもう。下北沢でこの映画を観ることの幸せを感じる。

*1:正確には「青春」ではなくて、「思春期」というのでもなくて、「ある角度から捉えられた少女性」が描かれているように感じる。だからちょっとアブナイのだ。フィルムセンターで観たことのある『翔んだカップル』もアブナかった。大林宣彦さびしんぼう』のような童貞チックなノスタルジーに満ちた少女性というよりは、もっと生々しい少女性(少年も描かれているんだが)を感じるのです。