小原宏裕『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』(1978)

公開:1978年 監督:小原宏裕 主演:竹田かほり、亜湖、高橋淳、野上裕二、桑崎晃男、森川麻美、清水国雄、佐々木梨里、片桐夕子、内田裕也、遠山牛、大竹智子、一谷伸江、関悦子、岸部シロー橋本治
明るく、性にもめっぽう開放的なレナ。対照的に何事にも奥手な裕子。仲良し女子高生二人組だが、裕子はレナにコンプレックスを抱いていた。やがて裕子は運命的な出会いを求め、旅立ちを決意。レナもその後を追う…。でこぼこコンビが旅先で様々な人々と出会う、爽快青春ロードムービー。原作は当時の小説現代の新人賞を受賞した橋本治の同名小説。

軽妙で楽しめる作品。竹田かほりが良い感じの女子高生役(共演の亜湖は『情事の方程式』にも出演)。1978年公開の作品であるが、東京の表参道の様子が興味深く、長野の安曇野(あずさ2号)、金沢、京都などの旅情も楽しめた。
金沢の喫茶店で若き日の橋本治が出てきた。駒場祭の看板は何で話題になったのだろう?政治の季節の終わり?
ロマンポルノも「政治から性へ」という流れで理解できるものが多いけれど、背伸びしながらのセックスへの葛藤を描くこの作品も、そう考えれば、時代の流れのなかに位置づけて理解できるかもしれない。とはいえ、この作品はそういう理屈が前面に出ていないところが魅力で、「ホモとセックス」というぎこちないユーモアもほんわかした効果をあげていた。