成瀬巳喜男・川島雄三『夜の流れ』(1960)
(111分・35mm・カラー)築地の料亭の女将(山田)と長い関係にあった板前(三橋)に、そうとは知らず女将の娘(司)が思いを寄せる様を、出入りする若い芸者衆の姿とともに描く。成瀬巳喜男との共同監督作で、若者たちを中心とするシーンを川島、旧世代が主に出ているシーンを成瀬が演出した。
’60(東宝)(脚)井手俊郎、松山善三(撮)安本淳、飯村正(美)松山崇、北辰雄(音)斉藤一郎(出)司葉子、山田五十鈴、宝田明、三橋達也、白川由美、水谷良重、草笛光子、三益愛子、越路吹雪、志村喬、星由里子、横山道代、幸田良子、市原悦子、北川町子、岡田真澄、中丸忠雄、村上冬樹、北村和夫、塩沢とき、長岡輝子
重厚で正統的な作品であるものの、そこまで良い出来とはいえない。成瀬の視線劇、川島のスピーディーな場面転換など、両監督の担当部分は何となく推測できる。しかし、所詮は水と油、統一感については十分留意されているが、中途半端な印象が残った。俳優陣が豪華なのでそのぶんは楽しめる。花柳界の日本美も良い。