小沢茂弘『関東果し状』(1965)

(90分・35mm・カラー)東映の時代劇、現代劇ともにスター中心のアクション映画を多く手掛けた小沢茂弘による「博徒」シリーズ第7作。任侠スターとして定着した頃の鶴田浩二を中心に、大正末期の東京、神奈川でのやくざ同士の闘争をダイナミックに描いた。
’65(東映京都)(監)(脚)小沢茂弘(出)芦屋雁之助(佐川善助)(脚)村尾昭(撮)山岸長樹(美)井川徳道(音)津島利章(出)鶴田浩二藤純子、三島ゆり子、長門裕之大木実河津清三郎、村田英雄、藤山寛美、山本麟一、山城新伍遠藤辰雄

観たことがあるような気がしていたが、やはり観ていた。藤純子がダイナマイトをぶつけられて目を怪我するのだが、その時点で完全にストーリーを思い出した。しかし藤純子がずっと目隠しやサングラスのままというのは、大変もったいない。藤山寛美が金がないのに芸者遊びをし、あげくイカサマ博打で河津清三郎率いる阿久津組に殺されるシーンは、すごく印象的だったので、しっかり記憶していた。このとき雪のなかで鶴田浩二が土下座をするのだが、それが大変美しく格好が良い。
さて二度目の鑑賞で気づいたことは、この作品はやはり名作だということ。出演陣が豪華だし、鶴田浩二の魅力とともに長門裕之が素晴らしかった。最後の決闘シーンも、「ライフル銃2丁」VS「船からダイナマイト」という舞台装置がかなり見もので、朝靄のなかの集団戦が終わり、日が明ける頃に鶴田が河津に決着をつけるシーンは、まさしく「任侠!」という感じだった。