那須博之『ビー・バップ・ハイスクール』(1985)

(95分・35mm・カラー)喧嘩と恋に明けては暮れるツッパリ二人組の日常を、笑いとアクションとともに描いた、きうちかずひろの漫画を原作とする青春篇。日活撮影所出身の那須博之監督は、夫人の脚本家・那須真知子とともに、本作を第1作とする「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズなど数々のヒット作を送り出した。
’85(セントラルアーツ)(監)那須博之(原)きうちかずひろ(脚)那須真知子(撮)森勝(美)大嶋修一(音)渡辺博也(出)清水宏次朗仲村トオル中山美穂宮崎ますみ一色彩子岩本多代、本間優二、木村健吾、小沢仁志

ミポリンを観に行ったのに、恋愛模様があんまり描かれずツッパリの乱闘ばっかだった。不良は不良で面白いし、電車のなかでの乱闘シーンなど「どうして撮れたんだろう」と思うほど破天荒なのだが、ミポリンがもっと出てきたほうが良かったね。観覧車のなかで不良に絡まれ髪の毛を切られるシーンも、本来ならばセクシャルな意味を暗示させるのがセオリーなはずだが、映像が甘い。そこらへんを気をつけたら、もっと名作になった可能性がある。
しかし「ミポリン」なんて言われても、いまの若者は栄養ドリンクの一種だと思ってしまうかもしれない。この作品で健康的な笑顔を見せているミポリンが、数年後、「やっと会えたね」などと言われてしまうのですなぁ。