「<学力テスト>知識の活用力問う問題の平均正答率は6〜7割」

地域格差に焦点が当てられた記事になっているが、それだけでは「分析」とはいえない。生徒用質問紙調査を駆使すれば、いろんな分析ができるはずなので、その結果を待ちたい。というか、ホントは自分でやってみたい。

 文部科学省は24日、全児童・生徒対象のテストとしては43年ぶりに実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、4月)の結果を公表した。多くの児童・生徒は基礎的な知識を身に着けて、平均正答率は7〜8割だったが、知識の活用力を問う問題の平均正答率は6〜7割にとどまった。公立学校の都道府県別では、大半が平均正答率の上下5%以内に収まるなど地域間格差は縮小傾向を示した。子どもたちの学習時間は過去の同種の調査よりも大幅に増加した。
 テストには小6と中3の約221万人が参加。国語と算数・数学で身に着けておくべき「知識」(A)と実生活に役立てる「活用」(B)の小中学校計8分類を実施し、学習意欲などを聞くアンケートも行った。
 知識(A)の平均正答率は▽小学校国語A81.7%▽同算数A82.1%▽中学校国語A82.2%で、多くの児童・生徒に基礎的な知識が定着していた。中学校数学Aは72.8%で、「反比例」や「確率」に課題が残った。活用(B)は▽小学校国語B63.0%▽同算数B63.6%▽中学校国語B72.0%▽同数学B61.2%で、知識を生かしきれない実態が浮き彫りになった。
 公立学校の都道府県別では、分類ごとに41〜47自治体が全国の平均正答率の上下5%以内に入り、大都市や町村など地域の規模別でも大きな差がなかった。同省は「昭和30年代と比べ、地域差はかなり縮小している」と指摘した。
 しかし沖縄県が8分類ともに最も正答率が低かったほか大阪府、北海道なども低水準だった。秋田県福井県富山県などの正答率が高く秋田県は5分類で最も正答率が高かった。
 経済的に困窮している家庭に市町村が学用品の費用などを援助する「就学援助」を受けている児童・生徒の割合が高い学校は、割合の低い学校よりも平均正答率が低い傾向を示した。国際基督教大藤田英典教授(教育社会学)は「家庭内での学習環境などが複合的に絡み合っての結果だ。これを放っておけば、『負の連鎖』が続くことになる」と指摘した。
 アンケートでは、授業以外の1日の勉強時間を聞いたところ、1時間以上勉強する児童は58.2%で03年度の国の同種調査より16.4ポイント増加し、生徒も65.2%で同12.4ポイント増加。3時間以上勉強する児童も同4.2ポイント増の11.2%いた。【高山純二】

 ◇文科相「公教育は保障されている」
 全国学力テスト結果について、渡海紀三朗文科相は「ほとんどの都道府県がそれほどばらついていない傾向だったので、(義務教育としての)公教育は保障されているという感想だ。日本全国を見れば、まだ差のあるところがあると思うので、今後もできるだけ教育の格差が出ないよう努力する」と述べた。
 全国学力・学習状況調査 国公私立の小学6年生と中学3年生の全児童・生徒全員を対象に文部科学省が行う試験。4月24日の実施当日の参加率は小学校99.5%、中学校95.7%で、私立の約4割が参加しなかった。学習指導要領で定める教えるべき項目のうち基盤となる内容を出題する。以前同様の調査が実施されたが、過度の競争に陥るなどとして、64年度に廃止された。 (10月24日19時12分配信 毎日新聞