ケネス・ブラナー『魔笛』(2006)

(2006年 イギリス 139分)監督 ケネス・ブラナー 脚本 ケネス・ブラナースティーヴン・フライ 音楽 ウォルフガング・アマデウスモーツァルト 指揮・音楽監督 ジェームズ・コンロン 演奏 ヨーロッパ室内管弦楽団 出演 ジョセフ・カイザー/エイミー・カーソン/ルネ・パーペ/リューボフ・ペトロヴァ

早稲田松竹。ホームページより。

第一次世界大戦前夜のヨーロッパ。兵士タミーノは戦場で命を失いかけたところを、夜の女王に仕える3人の侍女に救われる。女王から魔法の笛を渡され、暗黒卿ザラストロに誘拐された娘パミーナを救い出してくれと頼まれた彼は、ザラストロの神殿に忍び込む。そして、そこで出会ったパミーナと瞬く間に恋に落ちる。そんなふたりがやがて知ることになる驚愕の事実。愛をかなえ、自由を手にするために課せられる過酷な試練。魔笛が引き起こす奇跡の愛の物語は、すべての人に愛の歓びを呼び起こす。…

第一次世界大戦塹壕戦のシーンから序曲が始まる。夜の女王が戦車に乗って現れたりするなど、ギャグっぽい作りなのかと最初は思ったが、途中からはオーソドックスというか、地味な感じさえあった。
といってもモーツァルトの天才を堪能するのに、シンプルな作りはかえって良かったと思う。微妙な感情の変化をモーツァルトの旋律は実に生き生きと描いていて、これは本当にすごいことだ。
夜の女王が出てくるシーンは、幻想的で悪魔的な雰囲気が良く出ていた。個人的な好みでは、カール・ベームのようにゆったりとした高級感のあるモーツァルトが好きだが、映画は勢いのある演奏だった。