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無目的読書。
ライプニッツ―なぜ私は世界にひとりしかいないのか (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 山内志朗
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2003/01
- メディア: 単行本
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落ちれば死ぬ橋の上で、カイジは絶対的な孤独を味わう。友は助けにならない。死を前にして人は孤独、相互理解など不可能。だが次の瞬間、カイジは一転、「理解はできない、でも通信はできるのだ」と気づく。
これは「窓がないモナド」が、それでも「事物相互の結合」としての「絆」を持つ、とするライプニッツの思想に近似する。モナドは内側に襞を織り込んで、宇宙の渾然たる無限性を含みこむ。そのことで「実在的交通」を実現している。このライプニッツの考えはまったく謎めいたものではあるけれど、わたしにはなかなか面白く感じられる。「ヨーロッパで妻が死んだインドの夫はやもめとしての実在的変化を被る」という訳の分からない命題も面白い。
帰りの電車で吉田健一『ヨオロッパの世紀』(岩波文庫)を斜め読みしていたら、古代の人間は自分を疑っていないが、18世紀に完成されたヨオロッパでは不安を伴った自己意識が芽生えたのだ、と書いてあって、デューラーの連想と結びついた。
- 作者: 小田中直樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/06
- メディア: 新書
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