<学習指導要領案>40年ぶり授業増 「3.14」完全復活

文部科学省は15日、小中学校の学習指導要領改定案を公表した。主要教科(国語、算数・数学、理科、社会、英語)と体育の授業時間を約1割増やしたほか、学習項目など内容も理数を中心に約40年ぶりに増やした。学習内容が約3割削減された現行学習指導要領下での学力低下批判を強く意識した改定案となった。また、教育基本法改正(06年12月)後、初の改定となることから、道徳や古典指導を充実するなど同法の理念が色濃く反映された。文科省は09年度から算数・数学と理科を先行実施し、授業時間と学習内容を増やす方針。
指導要領の改定はほぼ10年ごとに行われており、前回の改定は98年。学習内容を増やすのは小学校が68年、中学校は69年の改定以来となる。文科省は3月末に告示する。小学校は11年度、中学校は12年度に完全実施する予定。高校の指導要領案は08年秋に公表する。
指導要領案では、ゆとり教育の象徴的存在だった「総合的な学習の時間」の総授業時間を最大150時間削減し、算数を142時間、数学を70時間増加させた。理科は小学校55時間、中学校95時間増やした。学習内容の増加割合を授業時間数で換算すると、現行よりも算数・数学が約15%、理科が約23%増える計算になる。この結果、1週間(5日)の授業時間数では、それぞれ1コマずつ増えて中学校で29コマに、小学校4〜6年生で28コマとなり、1日最大6時間の授業形態は変わらない。
ゆとり教育批判のやり玉に挙げられた小学校算数の円周率について現行の「3・14を用いるが、目的に応じて3を用いてできる」という規定を「3・14を用いる」に変更。「台形の面積の求め方」(小学校算数)や「イオン」(中学校理科)を復活した。
また小学校5、6年生を対象に週1回英語の授業を必修化する。中学で学ぶ英単語数も900語から1200語程度に増やす。
道徳は教育再生会議が求めていた教科化を見送る一方、小中学校ともに「道徳教育推進教師」を置き、教育活動全体で指導するよう強調した。文科省は来年度、道徳充実のため乳幼児期や家庭を含めた調査研究を行う有識者会議を設置する。
さらに、教育基本法改正を受け、古文・漢文の音読(小学校国語)、そろばん(同算数)などの充実を明記。国語以外の教科でも、自分の考えを表現する言語力を育成する活動が新設された。
文科省の布村(ぬのむら)幸彦・大臣官房審議官は「今回は、基礎・基本の定着とその活用をバランスよく身につけさせるようにする改定で、当然(学力低下などの解消の)狙いは実現されると期待している」と話した。【高山純二】 2月15日17時6分配信 毎日新聞

頭の悪いお坊ちゃま総理の負の遺産が「道徳教育推進教師」という珍妙な名前で残された。「教育推進教師」って、おい。