ジャン=リュック・ゴダール『はなればなれに』(1964)

(1964年 フランス 96分)監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール 原作 ドロレス・ヒッチェンズ 撮影 ラウール・クタール 音楽 ミシェル・ルグラン 出演 アンナ・カリーナ/サミー・フレイ/クロード・ブラッスール/ルイーザ・コルペイン http://www.bowjapan.com/bandeapart/index.php
ゴダールの長編7作品目であるこの作品は、タランティーノヴェンダース、アニエス b.、エリセなど、世界の監督たちに愛された。1人の女(オディール)と2人の男(フランツとアルチュール)がカフェでマディソン・ダンスを踊ったり、ルーブル美術館を駆け抜けたりする。フランツとアルチュールはオディールを馬鹿にしたような態度をとるが、本心では彼女の気を引こうと躍起になる…それを知ってか知らずか、オディールは無邪気に笑って彼等の後を付いて行く。3人は冬のある日、大金の強奪計画を実行することになった。スピーカーから流れてくるのはミシェル・ルグランの軽快な音楽!当時23歳のアンナ・カリーナの魅力が最大限に映し出された作品。

傑作。ゴダールのとてつもない才能に感嘆するが、それ以上にアンナ・カリーナの圧倒的な魅力!眉尻の下がった自信なく委縮するアンナ・カリーナと、長髪をなびかせて大胆な冒険に乗り出すアンナ・カリーナ。その振幅は自動車が高速で旋回するように不安定だが、その不安定な性急さ*1に、死を賭したゲームさながらの甘美が漂う。
とにかくあらゆるシーンが素晴らしい。アンナ・カリーナが童顔なのにおっぱいが大きくて、これは明らかに「萌え」*2。それも含めて、青春映画の大傑作に間違いなし。

*1:それが青春!

*2:個人的には「猛獣に生肉を放り投げる萌え」「勢いよく木につかまる萌え」などもあった。