サム・ガルバルスキ『やわらかい手』(2006)

IRINA PALM イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ・ルクセンブルグ合作映画 英語 1時間43分 監督: サム・ガルバルスキ 出演: マリアンヌ・フェイスフル、ミキ・マノイロヴィッチ、シボーン・ヒューレット
平凡な主婦マギーが、最愛の孫の手術費用を工面するため切羽詰まって始めた、セックス・ショップの接客業。なんと、彼女はゴッド・ハンドの持ち主だった……。孫を救いたい一心の無償の愛に、運命の逆転が訪れる人間賛歌!!

なかなか良かった。男性のおナニィを助ける仕事の話。東京にもこんな風俗産業があるんでしょうか?ギンレイのOL達が気恥ずかしくならないように(→ならないか)、クスグリも適切に挟まれていた。
それにしても息子がブチ切れて(主人公のオバサンのムスコ←下ネタ的注釈)、母親を淫売呼ばわりしていたが、これはやっぱりピューリタンだからかね?私なんかは職業差別だと思うんだけど、イギリスの一般的な道徳観念はどうなんでしょうか?
昔、「性と人格を一致させることに合理的理由はない、したがって性産業についているからといって人格批判を行なうことは不適切だ」という論文を読んで、大層感心したことがあったが、今ではそうした理解にも違和感を覚える。性の営みは人格と深く結び付いている。職業だって、人格の在り方と無関連ではありえない。性と職業と人格が結びついていることを前提に、そのうえで、性産業従事者に対する適切な考え方が取られるべきではないか。
映画のラストも、そんな可能性を感じさせる終わり方だった。