ウォン・カーウァイ『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2007)

MY BLUEBERRY NIGHTS フランス・香港合作映画 英語 1時間35分 出演:ノラ・ジョーンズジュード・ロウナタリー・ポートマンレイチェル・ワイズ
失恋したエリザベスは、元彼の部屋の向いにあるカフェのオーナーにブルーベリー・パイで慰められるが、ある日突然NYを旅立ってしまう…。半年後カフェに1枚の葉書が届く、「あなたのブルーベリー・パイは世界一おいしい」。スタイリッシュなウォン・カーウァイのラヴ・ワールド!!

加藤ローサにソックリのノラ・ジョーンズが失恋し、カフェのイケメン店員と出会う。「あぁ、イケメンとイケ・ウイメンの綺麗な恋愛ですか…」と萎えた気分になりかけたのだが*1、終わってみれば、それなりに良く出来た作品だった*2。音楽と映像がオシャレ。
恋愛依存症アルコール依存症ギャンブル依存症のキャラクターが登場し、「現代社会の生きづらさ」がひとつのテーマとなっている。ナタリー・ポートマンの女ギャンブラー役が最高で、この人は『イージー・ライダー』のジャック・ニコルソンみたいな喋り方をする。知的だが頭がイカレている感じが共通するが、チラチラ見えるおっぱいがえらくセクシーだった。
http://www.blueberry-movie.com/

*1:実際、イケメン・イデオロギーが鼻につく作品であることも確かである。眠っているノラ・ジョーンズの唇にくっついたクリームを、もしこのイケメン店員ではなく、キモメンが舐め取ったとしたら、どうだろうか?こういうユルい設定で「そこはかとないオシャレ感を醸し出す」というのは感心できない。だいたいどこにも欠点の見つからないイケメン・キャラなんぞを登場させるのは、その時点でOL迎合的である。

*2:全体として散漫な構成だという感じも残るが。